MAPLE

 亀井さんの写真集が今日発売という事で早速買ってきました。
中身をパラパラ見ながら気になるカットと雑感を少し…。



表紙

非常にバランスの良い構成になっています、全体を1/3づつ分けてみるとその良さがわかります。
被写体を真直ぐに収めない構図が柔らかさ生み、さすがに”プロ”というところでしょうか。



裏表紙

このカットは写真集の中にあるカットと同じものですが、本来あるべき左半分を入れてないので中途半端に形になってしまい惜しい。



カバー外した表紙(※裏表紙はこのカット続きなので省略)

裏表紙が右側の続きがありますが、このカットに関しては明らかに当初から右側の部分は必要としない構図で撮られてるものと思われます。
このカットの良さはうつ伏せにより顔が若干下向きの為、視線を正面を向けようとしてるので瞳が大きく見える所で、なお且つきつい印象を和らげる為に少し角度をつける小技までも使ってますね。



page6*1

広い屋外での撮影では地平線を斜めにした構図はダイナミックな印象を与えます。
この撮影者の西田氏は頻繁に使うテクニックのようで、他の写真集でも必ず出てきます。*2そんなダイナミックな構図に疾走する貨物列車、なびく髪、更に青系のフィルターを使って明るさを押さえることにより、一層印象を強くあたえます。惜しむらくはシャッタースピードを一段落として列車のブレをもう少し大きくした方が良かったかなっと…、素人考えですが。



page16

このカットはフラッシュの先行カットでもありましたが、非常に気に入っています。
こういった構図は素人には真似できないものです、水着でありながらイヤラシさは無く女性特有のラインの柔らかさを上手く捉えたカットで、あえて視線を外して微かに微笑んでるような亀井さんの表情もグッド!



page65

コメントする前にひとつ、「記念写真とかを撮る場合に一度は聞いたことがあると思いますが、逆光に気をつけないと人物が真っ暗になるから撮影者は太陽を背に撮るようにと。」最近はカメラの性能も良くなって聞かなくなったような気もしますけど…。
いわゆる順光撮影ということですね、しかしプロはこの順光撮影はほとんどしません!
順光では被写体が平坦に映り、色も太陽のせいで褪せたような発色になってしまうからです。そのため逆光もしくは横からの撮影を行い、被写体が暗くならないようにレフ板場合によってはストロボまで使って撮影します。光と陰影を操るのがプロですからねw
前置きが長くなりましたが、このカットは数少ない順光での撮影で撮られたものです。その為平坦にならないように顔を傾け陰影を作り立体感を出しています、衣装は順光撮影特有の色合いになってしまってますが、それでもこのカットでは亀井さんの髪が順光によって輝いて顔の周りを引き立ているところがポイントになっています。綺麗な栗色で輝く髪がいいですね。



page68

前のカットでの話が長くなったのでここでは短めに、このカットでは俯瞰気味に撮られているのもですが、亀井さんの何とも言えない”佇まい”が凄くいいですね。離れていてもシッカリとした視線が更に印象つけています。



page73

最後にこのカット、ピアノの下にもぐる亀井さんを捉えたものですが、陰影を上手く使ったところがポイントだと思います。
レフ板を使わないので瞳に光が入らず黒目がちに見え、横からの自然光(もしくはレフ板)により左側が暗く沈んでいますが、その暗さと瞳がギリギリのところで分かれているのが良いですね。ちょっとした露出の違いで瞳が暗に紛れてしまうと台無しですから、そんな微妙なもところで勝負してるのもプロというものなんでしょうね。


他のも沢山良いカットがありますが、今日はここまで。
いつかこの続きができたらと思っています。

*1:表紙からカウント

*2:新垣里沙「一瞬」、アロハロ!紺野あさ美写真集、高橋愛「わたあめ」などでも見られる